高齢による身体変化 うつ症状も出ることがある老人性難聴

うつ症状も出ることがある老人性難聴

人の聴覚は20歳辺りがピークで、それ以降は内耳にある感覚細胞が老化することで、聴覚は次第に衰えていきます。それが老人性難聴で、症状は高齢者に多く見られます。基本的には音が聞こえなくなる症状で、特に複雑な音の組み合わせの聞き分けがしにくくなります。したがって、音が鳴っているということ自体は判断できることが多いです。聞き取りにくくなるのは主に人が話している内容自体です。また、数ある音の中でも、比較的高い音が聞き取りにくくなることが多いです。

この老人性難聴の症状は、基本的に問題のない老化現象の一部です。そのため、症状を抑えることはできず、補聴器で聴力をカバーするのが主な対策となります。また、どれくらいの年齢から症状が出始めるのかは個人差があります。一般的には50歳代くらいから出始めますが、若い頃から大きな音が出る環境で過ごすことが多かった人だと、40歳台でも補聴器が必要なほど進行する場合もあります。

そして、老人性難聴になると、他人と潤滑なコミュニケーションが取りにくくなります。一度言われたことを大きな声で言い直してもらわなければならず、相手を不快にさせるため、コミュニケーションを取らなくなる人も大勢います。また、それまで問題なくできていた聞き取りが難しくなると、気持ちが滅入ることもあるでしょう。そうして、人との繋がりを避けたり、気持ちが落ち込んだりすることで、うつ症状が引き起こされる可能性もあります。そのうつ症状は、老人性難聴の副次的な症状の代表例です。